障害年金の申請が難しい傷病と対応のポイント
1 化学物質過敏症
化学物質過敏症とは、個人の許容量をこえて化学物質にさらされると、その後に微量であっても原因化学物質にさらされた際に過敏状態となり、免疫障害、自律神経障害、精神障害、臓器障害などのアレルギー疾患や中毒的な体調変化をきたす疾患のことをいいます。
化学物質過敏症で障害年金の請求をするにあたっては、①様式第120号の7「血液・造血器・その他の障害用」の診断書の他に、②「障害年金の請求にかかる照会について」(化学物質過敏症 照会様式)」という書類を主治医の先生に記載してもらい、提出する必要があります。
化学物質過敏症については、検査数値等の客観的指標がなく、かつ、症状の個人差が大きい点が、障害認定が難しい原因となっています。
化学物質過敏症は、診断書や照会様式の記載から、障害等級が決定されることとなります。
診断書や照会様式には、多岐にわたって日常生活能力や労働能力等に関する質問がありますので、化学物質に対する具体的な反応内容、症状の頻度・持続時間、日常生活への具体的支障、就労制限の程度について、主治医の先生に詳細にお伝えをして、しっかりと書式に反映してもらうようにしましょう。
2 線維筋痛症
線維筋痛症とは、全身の強い痛みを主症状とし、精神神経症状(不眠やうつ病など)や自律神経の症状を副症状とする疾患です。
長時間にわたる強い痛みにより、日常生活能力や労働能力が著しく低下するという特徴があります。
線維筋痛症で障害年金の請求をするにあたっては、様式第120号の3「肢体の障害用」の診断書を主治医の先生に作成してもらい、提出する必要があります。
線維筋痛症は、レントゲンやMRIなどの客観的検査で明確な異常が現れにくく、それゆえ、「本当に日常生活能力や就労能力が低下しているのか」と疑義を持たれやすいという特徴があります。
そのため、「本当に日常生活能力や就労能力が低下している」と判断してもらえるだけの内容を診断書に記載してもらう必要があります。
この点については、「線維筋痛症の障害状態について診断書を作成されるお医者様へ」との書面が日本年金機構のホームページにアップロードされていますので、こちらを主治医の先生にお渡しいただくとともに、事前にこの書面に目を通して、どのような内容を主治医に伝えておいた方がよいかを把握するようにしておきましょう。
また、線維筋痛症の重症度を示すステージを診断書に記載してもらう点も重要です。
3 慢性疲労症候群
慢性疲労症候群とは、原因不明の全身倦怠感が急激に始まり、十分な休養をとっても回復せず、長期にわたり疲労を中心に微熱、のどの痛み、リンパ節の腫れ、筋力低下、頭痛、精神経症状等が続く疾患のことをいいます。
慢性疲労症候群で障害年金の請求をするにあたっては、様式第120号の7「血液・造血器・その他の障害用」の診断書を主治医の先生に作成してもらい、提出する必要があります。
慢性疲労症候群も、血液検査や画像検査で明確な異常が出にくく、ただ怠けているだけだと勘違いされてしまうこともある点が難しいポイントです。
慢性疲労症候群に関しても、「慢性疲労症候群の障害状態について診断書を作成されるお医者様へ」との書面が日本年金機構のホームページにアップロードされており、主治医に対してパフォーマンスステータス(PS)を記載するよう求めておりますので、この書面に目を通してもらった上で、日常生活や就労への支障の内容や程度を主治医にしっかりと伝えておくようにしましょう。
4 脳脊髄液減少症
脳脊髄液減少症とは、頭部への強い外傷などで脳や髄液を覆う硬膜に穴が開き、脳脊髄液が漏出することにより、起立時の頭痛、めまい、倦怠感、集中力低下などの症状を引き起こす疾患です。
脳脊髄液減少症で障害年金の請求をするにあたっては、様式第120号の3「肢体の障害用」または、様式第120号の7「血液・造血器・その他の障害用」の診断書を主治医の先生に作成してもらい、提出する必要があります。
どちらの診断書を利用することも可能ですので、どちらの診断書を使った方が障害の状態がよく分かるかを検討し、選択するようにしましょう。
脳脊髄液減少症に関しても、障害認定のための客観的な指標が定められていない点が難しいポイントとなります。
脳脊髄液減少症に関しても、「脳脊髄液減少症の障害状態について診断書を作成されるお医者様へ」との書面が日本年金機構のホームページにアップロードされており、そこでは、日中の臥位時間を診断書に記載することが求められていますので、主治医に対して日中の臥位時間を忘れず伝えるとともに、日常生活や就労への支障の内容や程度も、欠かさず詳細に伝えるようにしましょう。













