障害年金の基礎知識

1 障害年金とは?

 障害年金は、「国民年金」や「厚生年金」に加入する方などが、一定程度の病気やケガのために、収入がなくなったり、減少した際に、生活を助けるために支給されるお金です。

 正式な名称は「障害年金」ですが、一般の方の会話の中では「障害者年金」と呼ばれることもあります。

 また、障害者手帳とは別の制度なので、障害者手帳を持っていなくても障害年金は受給できます。

2 障害年金の対象となる病気やケガ ●※本来「障害年金の対象となる方」だった

 障害年金は、手足の障害のように外見上分かりやすい外部障害だけでなく、肺や心臓、腎臓、肝臓等の内部障害や、うつ病、知的障害、発達障害等の精神障害も対象となります。
 対象となる主なケガや病気として以下のものがあります。

 

【障害年金の対象となる主なケガ・病気】

ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるものを含む)、白内障、眼球萎縮、網脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、網膜はく離、腎性網膜症、 糖尿病網膜症など
聴覚、平衡機能 感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、毒物中毒による内耳障害など
鼻腔 外傷性鼻科疾患など

口腔

(そしゃく・言語)

上顎癌、上顎腫瘍、喉頭腫瘍、喉頭全摘出手術、失語症、脳血管障害による言語障害など
肢体の障害 事故によるケガ( 人工骨頭など)、骨折、変形性股関節症、脊髄性小児麻痺、脳性麻痺、脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群など
精神障害  うつ病、双極性障害、統合失調症、てんかん、知的障害、発達障害(ア
 スペルガー症候群、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障
 害、チック症など)、高次脳機能障害、アルツハイマー病など
呼吸器疾患 気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など
循環器疾患 心筋梗塞、心筋症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性心疾患など
腎疾患 慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など
肝疾患 肝炎、肝硬変、肝がんなど
糖尿病 糖尿病( 難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病網膜症など糖尿病性と明示されたすべての合併症など
血液 再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、HIV感染症など
その他 人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、周期性好中球減少症、乳癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等の癌全般、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病

 

3 障害年金を受給するための条件

 障害年金を受給するためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

 

⑴ 初診日に公的年金制度に加入していること

 初診日とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医療機関で診療を受けた日のことです。

 初診日に、国民年金に加入している場合(自営業、主婦、学生、無職等)や、年金制度に加入していない20歳未満または60歳以上65歳未満の場合は、障害基礎年金の支給対象となります。

 初診日に厚生年金に加入している場合は、障害厚生年金の支給対象となります。

 

⑵ 年金の保険料を一定程度納付していること

 初診日の前日の時点で、以下のどちらかの条件を満たしている必要があります。

 ・初診日の前々月までの直近1年間で、保険料の未納がないこと(初診日に65歳未満の場合に限る)

 ・公的年金制度に加入してから初診日の前々月までの期間のうち、3分の2以上の期間で、保険料が納付されているか免除されていること

 

⑶ 障害の重さが一定以上であること

 障害の等級は、軽い方から3級、2級、1級となっています。

 障害厚生年金には1~3級までありますが、障害基礎年金には1級または2級しかありません。

 各等級に該当する障害の重さの大まかなイメージは、以下のとおりです。

 1級…他人の介助がなければ日常生活が送れない程度

 2級…日常生活は極めて困難で、働いて収入を得ることができない程度

 3級…著しい制限がなければ働けない程度

 また、障害厚生年金の場合、3級に満たない一定程度の障害の状態に該当すれば、障害手当金という一時金が支給されます。

 ※金額について、詳しくは「障害年金の金額」のページをご確認ください。

4 障害年金を受け取れる時期

⑴ 通常の場合(認定日請求)

 原則として、初診日から1年6か月経過後が障害認定日となり、この時点で、障害の程度などの要件を満たせば、その翌月分から障害年金を受け取ることができます。

 例外として、もっと早く障害年金が受け取れる場合があります。

 例えば、手術をして人工関節を入れた場合、初診日から1年6か月経過していなかったとしても、人工関節を入れた日が障害認定日となり、その翌月分から障害年金を受け取ることができます。

 このような例外は、他にも、心臓ペースメーカーを入れた場合などがあります。

 

⑵ 過去の分を請求する場合(遡及請求)

 障害認定日にすぐに申請をしなかった場合、すぐに申請していたら受け取れたはずの障害年金は受け取れないのでしようか?

 これについては、「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」といって、過去の分にさかのぼって請求することができます。

 ただし、時効がありますので、さかのぼれるのは5年までです。

 

⑶ 障害認定日以降に重症化した場合(事後重症請求)

 障害認定日の時点では、障害の程度が軽く、障害の等級に該当しない場合でも、その後、悪化し、障害年金を申請する時点では、障害の等級に該当するという場合があります。

 このような場合、「事後重症請求」をすることで、申請した翌月分から支給されます。

5 障害年金の制度等に関するQ&A

Q 家族に資産や収入があっても障害年金を受け取ることができますか?

 家族に資産や収入があっても、障害年金は受け取れます。

 また、本人に資産や収入があっても、原則として障害年金は受け取ることができますが、初診日が20歳前にある場合に限り、本人に一定程度の収入があると、障害年金の半額または全額が支給停止されます。

 

Q 働きながら障害年金を受け取ることはできますか?

 原則として、働いていても障害年金を受け取ることは可能です。

 精神障害や難病など、症状の重さが数値化できない病気については、労働時間や職務内容等によっては障害年金を受け取ることが難しい場合がありますが、そのような場合であっても、障害者雇用や就労継続支援事業所等、障害に配慮のある環境で働いていることを主張することによって障害年金を受け取れる可能性がありますので、障害年金に詳しい社労士にご相談されることをおすすめします。

 

Q 20歳未満でも障害年金を受け取れるのですか?

 原則として、障害年金を受け取れるのは20歳になってからです。

 例外として、20歳未満でも厚生年金に加入している場合には、障害年金を受け取れる場合があります。

 

Q 障害年金の審査はどのように行われるのですか?

 障害年金の審査は、日本年金機構の障害年金センターで行われており、

日本年金機構から依頼を受けた認定医と呼ばれる医師が審査を担当しています。

 面談等はなく、書類審査のみであるため、実際の症状が診断書に適切に記載されていないと本来受給できる障害年金が受給できなくなってしまうおそれがありますので、注意が必要です。

 なお、初診日に公務員や私立学校の教職員だった場合は、共済組合で審査が行われますが、書類審査である点は同じです。

 

Q 障害年金を受け取ると何かデメリットはありますか?

 原則として、障害年金を受け取ることで損になることはありません。

 傷病手当金や労災保険の障害補償年金等、障害年金が支給されると支給停止されたり減額されたりするものもありますが、トータルで見ると、障害年金を受け取る前より損になることはありません。

 ただし、厚生年金や健康保険で家族の扶養に入っている場合、障害年金を受け取ることで扶養から外れることがあります。

 

Q 障害年金は一度認定されると、ずっと受給できるのですか?

 障害年金は、永久認定を受けた場合以外は、1~5年ごとに更新をする必要があります。

 更新の際は、診断書を提出して審査を受ける必要があり、その結果、障害が軽くなったと判断されれば、金額が減るか、支給が停止される場合がありますので、ご不安な場合などには、障害年金に詳しい社労士にご相談ください。

 

Q 障害年金が不支給となった場合、どうしたらいいですか?

 不支給となってしまった場合、上位の審査機関に対して、審査請求・再審査請求をすることができ、それでも認められなかった場合には、訴訟で裁判所に判断を求めることができます。

 不支給決定を覆すには、適切に主張・立証することが必要ですので、障害年金に詳しい社労士に相談されることをおすすめします。

 なお、当初の申請時よりも症状が悪化した場合には、事後重症請求として、再度の申請をすることができます。

 

Q 障害年金手帳の等級と障害年金の等級は関係がありますか?

 障害者手帳と障害年金は別々の制度であり、等級の基準も異なるため、

障害者手帳の等級と障害年金の等級は一致しません。

 例えば身体障害者手帳の等級が4級や5級であっても、障害年金では3級以上になって、障害年金を受け取れる場合もあります。

障害年金のメリット●※パンフレットにはなし。N13案あり。追加しますか?

⑴ 生活費を安定させられる

 障害年金を受給すると、一定期間、決まった金額が支給されます。

 働くことが難しい障害状態でも、障害年金によって生活の基盤を確保することができます。

 金額について、詳しくは、「障害年金の金額」ページをご覧ください。

 

⑵ 非課税で受給できるため手取りが増える

 障害年金は課税所得に分類されます。

 そのため、所得税や住民税がかからず、もらった金額をそのまま生活費や治療費に使うことができます。

 

⑶ 使い道に制限がなく自由に使える

 障害年金は使い道に制限はありません。

 そのため、もらったお金を自由に活用できるというメリットがあります。

 

⑷ 就労していても受給できる場合がある

 障害年金は、働いている方でも受け取れる可能性があります。

 就労していることだけで支給が止まるとは限りません。

 

⑸ 国民年金の支払いが法定免除になる

 障害年金1級または2級を受給すると、国民年金の支払いが免除されます。

 加えて、免除期間は半額を払ったとみなされ、老齢基礎年金には半額分が反映されることになります。

 免除せず、国民年金を支払って老齢基礎年金の年金額を満額にすることも可能です。

 

障害年金のデメリットは?●※Q&A内にあり

●※Q&A内と同じ文章を参考として掲載

 

 原則として、障害年金を受け取ることで損になることはありません。

 傷病手当金や労災保険の障害補償年金等、障害年金が支給されると支給停止されたり減額されたりするものもありますが、トータルで見ると、障害年金を受け取る前より損になることはありません。

 ただし、厚生年金や健康保険で家族の扶養に入っている場合、障害年金を受け取ることで扶養から外れることがあります。

障害年金の申請手続きは大変?●※パンフレットにはなし。N13案あり。追加しますか?

 障害年金の申請を考えたとき、「書類が多くて複雑そう」と感じる方もいらっしゃるかと思います。

 年金記録の確認や医師への診断書作成依頼、書類の作成など、申請の準備をするだけでも時間と手間がかかるため、大変と思われる方も少なくありません。

 しかし、社労士のサポートを受けて、ポイントを押さえながら準備すれば、障害年金の手続きをスムーズに進めていくことができます。

 社労士に依頼することで手続きの負担を軽減し、さらに適切な書類の準備によって受給の可能性を高めることもできます。

 障害年金専門社会保険労務士法人では、初めての方でも安心して障害年金の申請ができるよう、サポート体制を整えていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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